2024年10月に兵庫県・丹波で開催したGM(General Meeting)。4名の市議会議員さんをお招きした、メインイベント「自治ワーク」の様子をレポート。GMってなに?丹波GMでは他にどんなことやったの?という方は、ぜひこちらの記事とセットで読んでくださいね。

そもそも自治ってなに?

今回のGMのメインイベントである自治ワークについては、いたるが少ししっかりと書いてみたいと思います。

場所は丹波市柏原町の柏原自治会館。会場の名前まで揃えてきたか!!という周到ぶり(自分で言う)。どんだけ「自治」を意識してほしいのかということです(笑)

さて、そもそも自治って何でしょうね。みなさんはどう考えますか。

自治という言葉を聞いたことがあっても、あまり馴染みがないという人もいるかもしれません。自治体、自治会という言葉は、都道府県・市町村や、まちのおじさんたちが寄り合う集いのようなイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ぼくは「自治」という言葉が好きとか嫌いとかより、とても大切な言葉だなと思っています。自分たちの目の前で起こる課題は、自分の行動によって解決が出来ると信じて動き出せるかどうか、そこに「自治」の意識があるかないかという違いが生まれると考えているからです。

さらに言えば、自分が生きて何かをすることについて、他者から引きずられてやらされていく受動的な生き方と、自分の選択に責任を持って生きていく能動的な生き方の間には、この自治的な意識が関わっていると思っています。

常に何かをやらされている人は、何かを変えたり、良くしたりすることは考えず、被害者としての自分がいかにつらかったのかを訴えることに時間を割いてしまうようなことがあるなと思います。常に何か働きかけようと考える人は、文句や愚痴の有無は個人差がありつつも、そこからどうしたら変化させられるか、自分が望む未来をどのように実現していくかを考えていく態度があるように思います。

しばらく人生を過ごして観察しているうち、後者のほうがなんか幸せそうだったり、充実している割合が高いように思いました。想いや希望があるからでしょうかね。

ちなみにそんな僕は、30歳から34歳まで市議会議員をしていましたので、まさに自治体のなかで、「予算」「規則」を検討し、決定する側にいました。だからこそ、僕にとっては自治という言葉は当事者として考える機会があり、その経験を通じてわかったのは、市議会議員だから出来ることもあるけど、それぞれの立場で出来ることはいっぱいあるんだということです。

みんな自分の立場から出来ることを知らないから、何もしないし、動く気にもならないということが多くて、知れば動くことが出来ると思ったのです。だからこそ、まずは知ることから始め、そして、動きながら自信を深めていくことで、徐々にさまざまな領域に対する当事者意識を高めていくことが出来ると思っています。

今回、丹波市でGMを行うにあたり、メインで企画をしたのは僕です。だからこそ、なかなか普段は話せない自治の当事者たちをお招きすることが出来ました。当日も重々お伝えしたつもりですが、今からご紹介する方々がいなければ成り立たなかった、とても重要なゲストたちにこの場を借りてお礼を申し上げつつ、これからご紹介していきます。

今回のワークにお招きしたゲストの方々は、すべて「市議会議員」の方々。しかも、丹波市だけじゃなく、近隣やら遠くから、それぞれお忙しい中で都合をつけてくださった皆さまです。それではご紹介してまいりましょう。

ゲストファシリテーターは市議会議員さん

兵庫県丹波市 市議会議員 前川進介さん

今回の開催地である兵庫県丹波市からご参加いただきました、地元の市議会議員の前川さんです。もともと化粧品や健康食品を製造販売するメーカーに勤め、地元にUターンしてきて、家業を継いで事業を軌道に乗せたあと、地域づくりの活動をはじめ、そこから全国各地の地域づくりアドバイザーなどの仕事も経験されてきました。

今回はご自身がどのような経緯を経て、市議会議員という仕事に就くことになったのかという話題を中心に、それぞれの自治意識について問いかける時間を作ってくださいました。

兵庫県丹波篠山市 市議会議員 本多紀元さん

兵庫県丹波市のお隣の丹波篠山市からご参加いただきました、こちらも地元出身の市議会議員の本多さんです。個人事業主としてIT分野で事業を立ち上げ、大阪や東京でも過ごしたものの、地元の丹波篠山市が消滅可能性都市になったと知って、このまま何もしないままより地元に戻ってなにかがしたいと考えてUターンされ、IT会社を立ち上げられました。

2024年4月の選挙で当選され、丹波篠山市議会議員に。今回はご自身が、個人や民間事業の経営者として関わっていたときと、市議会議員という立場になってからの違いについての話題を中心に、各メンバーそれぞれが考える自治を問いかけてくださいました。

京都府福知山市 市議会議員 イシワタマリさん

兵庫県丹波市のお隣の京都府福知山市からご参加いただきました、こちらは旦那さんの就職に伴って移住された先で市議会議員となったイシワタマリさんです。アーティストとしての活動を通じて、それぞれの人が想いを発信し、自分なりの感性を信じて生きていくことや、当事者意識を育んでこられていました。自身の活動がアートを実践するというよりも、社会に関わっていきたいことだと自覚されてから、政治に関わっていくことを決意されました。

2023年4月の選挙で当選されて、福知山市議会議員に。これまでアートを通じて社会に問いかけてきたように、今回はメンバーそれぞれが当事者として関わりたいテーマが何なのか、どうしてそう思うのかを深く問いかけてくださいました。

北海道釧路市 市議会議員 夏堀めぐみさん

遠く北海道釧路市から、丹波市に視察を兼ねてご参加いただきました、夏堀めぐみさん。

釧路市で生まれ、大学進学と就職で札幌で過ごし、その後にUターンして釧路に戻り、家業のラーメン屋を手伝っておられました。なにか面白いことをしたいと考えていたところに、東京の広告代理店で働く釧路時代からの友人に誘われ、釧路のまちを賑やかにするようなイベントや、メディアでの発信を開始し、自分のまちに関わる面白さを知ることに。

2023年4月の選挙で当選され、釧路市議会議員に。ご自身が市議会議員を志すきっかけとなった、ひとり親で子育てをしていく孤独感や支援のなさを感じた体験などを共有いただきました。またそれぞれが日々感じる違和感についても問いかけてくださいました。
(でも写真はまりも羊羹の食べ方の説明中)

ぼくらはなにをよくしたいと思うんだろう

今回のワークはとにかく、聞く、考える、話す。みっちりとそれを繰り返していきました。

「自分にとって自治意識ってなんだろう」
「わたしが大切にしたいことはなんだろう」
「わたしが自治意識をもつ対象ってなんだろう」
「その対象を、わたしはどうよくしたいんだろう」

そしてこの4つの問いをお互いに深く問いかけて、あなたはどう考えたのか、わたしがこう考えるのはおかしいかなー、こう考えてもいいんでしょうか、ということをファシリテーターの議員さんに質問したり、逆に質問をされたりながら自分に向き合うような時間でした。

「ええ、なんやろう…難しい」「あかん、そんなん考えたことない」なんて声も聞こえてきました。サクッと答えを出す人もいたり、最後まで悩みながら答えを出す人もいて、それぞれが時間をかけて最後の答えに辿り着いていきました。

ぼくは自治意識に従って、とにかくやりたいことをやった

ぼくは自治という言葉を大事にして生きています。そして兵庫県丹波市に「自治」の意識が深く根付いていることを感じ、この街で生きることを選んだ過去の自分に、本当に良く決断したものだと思います。それだけ、この街で暮らし、そこで学び、人生を豊かにしてきたと言える時間があることを誇りに思って生きてきました。

今回はその根本にある「自治」の意識を、それぞれが自分に問いかけていく時間を、Daiの仲間につくる機会を、ぼくのワガママとして通させてもらいました。一緒に企画をしてくれたGMCのメンバーに恵まれ、全面的なサポートをしてもらい、この機会が実現しました。

ぼくなりのDaiという会社に対する自治意識をもって、しっかりとその意識をもとに行動をしてきた中で実現したこの自治について考えるワークができたことを誇りに思いますし、そして実現に協力してくれたみんなと、それを受け入れてくれたすべてのメンバーに心から感謝をしたいと思います。ありがとう。