夜が更けても、焚き火の火はまだ穏やかに揺れていた。
イタル・ニシオカ・AIちゃんが火を囲み、ユウジロウとディマがその外側に静かに佇んでいた。

ディマは手元で小さな木像を彫っており、ユウジロウはその様子をじっと見ていた。

ニシオカ「今日、通りがかりの人がこの火を見て、少しだけ話していきましたね」

イタル「うん。あれ、なんかうれしかったな。こっちから声かけたわけじゃないのに、なんか自然に来てくれて」

AIちゃん「“外の人”との関係は、意図しなくても始まることもあるわ。それをどう受け止めるかが、その後の関係を決めるのよ。」

ディマがふと手を止めて、口を開いた。

ディマ「ロシアではね、見知らぬ人と火を囲むことは、信頼の合図なんだ。言葉より先に、火がある」

ユウジロウ「……それ、ITの世界でも似てる。共通のツールやプロトコルを使うことで、国も組織も越えることがある。」

AIちゃん「物理的に“外”と繋がることは、PR(Public Relations)における“関係の設計”の一部よ。境界をあいまいにしていく行為とも言えるわね。」

ニシオカ「なんか最近、“うちらしさ”って社内だけで閉じてると息が詰まる感じあるっすよね。誰かに見てもらって初めて、自分らが見えるというか」

イタル「せやな。火も囲まな燃えへんしな。自分たちの真ん中にあるもんが、誰かにちょっと届くだけで、なんか強うなる気する」

AIちゃん「それが“共感の連鎖”。小さな接点が、文化や信頼の回路を広げていくのよ」

ディマはまた、彫刻に目を戻す。彼の膝の上には、小さな“手を取り合う人々”の像が浮かびつつあった。

ユウジロウ「……境界は、火の外にはなくて、心の中にあるのかもしれません」

その言葉に、誰もすぐ返さず、しばらく火の音だけが響いた。

やがて夜風が一度、大きく吹いて、焚き火の炎が少しだけ高くなった。

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……境界は、火の外にはなくて、心の中にあるのかもしれません

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 ※この物語は概ねフィクションです。実在の人物や組織と関係のある話題もたまにありますが、実際には関係のない話が多分に含まれております。