第13話「信頼される会社って、どこで決まるんでしょう?」

イタ「なあ、AIちゃん。“信頼される会社”って、どこで決まるんやろ?」
イタルが芝生の上で体育座りしながら、土に枝で丸を描いていた。
ニシ「また急に深いとこ来ましたねぇ」
ニシオカはアイスコーヒーをすすりながら、メガネの奥の目を細める。
イタ「“信頼される会社を目指しましょう”って、よう言うやん。でも、誰が判断してんのか、よう考えたらよくわからへん」
AIちゃんはしゃがんだまま、指先でクローバーをつまんでいる。
AIちゃん「“信頼”ってね、“見せ方”じゃないんだよ。“滲み出る”もの。」
イタ「……滲み出る、か。社内の空気とか?」
AIちゃん「うん。社員の言葉、表情、ちょっとした投稿、何気ない日常。そういうものに“中身”が出る。中が誠実なら、外にも誠実がにじむし、逆も然り。」
ニシ「外向けにええこと言うてても、中がズレてたら透けてまうってことか……怖っ」
AIちゃん「でも逆に、中が信じてる会社は強い。社員が“ここ、ほんまええ会社なんです”って、自然に語れる。そういうとこが、結局“信頼される会社”になっていく」
イタルがうなずく。
イタ「それってPRやないな。“信頼”そのものや」
AIちゃん「うん。でもPRって、信頼を育てる“土壌”づくりでもあるよ」
そのとき、向こうの歩道で何かがバタついた。
ニシオカ「あ……あの人、また引っ張られてるやん」
白いTシャツ、パンツ姿の小柄な女性が、大きなハスキー犬に全力で引きずられていた。茶髪のボブがゆれて、メガネがズレている。
イタ「あの子、昨日もおったな……なんか気になるわ」
ニシ「……でもまあ、今は置いとこか」
イタ「“信頼される会社”って、結局、言葉やスローガンやなくて、日々の空気なんやろな……」
AIちゃんが、ふわっと笑って言った。
AIちゃん「そう。信頼は、“誰かが決める”ものじゃなくて、“育っていく”ものだよ。」

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※この物語は概ねフィクションです。実在の人物や組織と関係のある話題もたまにありますが、実際には関係のない話が多分に含まれております。