Bカートのベテランエンジニアである後藤さんにプロダクトへの想いをインタビューしました。

 

小さな課題解決から全ては始まった

Q 普段はどんな業務をおこなっているんでしょうか?

主にBカートやその関連サービス・システムの開発に携わっています。

開発チーム全体を把握する必要がある立場ではあるので、開発の進捗・スケジュール管理、優先度設定、ディレクションなど、マネジメント的なことは多いですが、「現場の勘」みたいなものが鈍らないように、いちエンジニアとして実際にコードを書いたりレビューをする時間も大切にしています。

今でこそ出来ることも増えてきたのですが、僕が入社した当時はホームページ制作やデザイン、自社で運営するメディアのサイト構築などを行っていました。

当時はまだ受託開発のような形態も多く、一社一社の要望に合わせて一からサイトを構築したり、今のBカートの原型となるようなシステムを個別にカスタマイズして提供したりもしていました。

もう大分昔の話になりますが、入社当時に僕が担当していた卸業者さまに、企業ホームページ上で商品の価格表を掲載し、その内容を定期的に自社で更新したい、というご相談をいただいたことがありました。運用コストや工数を抑えるために、データベースではなくCSVファイルをデータストアとした簡易な仕組みで実装したのですが、予想以上に喜んでいただけたことを今でも鮮明に覚えています。

自分的にはもっとスマートで高機能なものができたんじゃないかという葛藤もあったのですが、お客さまにとってはそれがその時に求めていたものであり、それによって、今までFAXや電話などでのプッシュ型の営業アプローチだけだったものが、見込み客や既存客に対してのプル型の情報提供できるようになるというビジネスの新たな「可能性」が生まれたと評価していただけたわけです。

お客さまにとって、提供されるものがどんな仕組みで実現されているのかということは重要ではなく、それによってもたらされる結果こそがすべてなんだと肌で感じた瞬間でもありました。

今となっては小さな出来事かもしれませんが、自分のつくったもので社会の課題を解決できたというこの時の充実感が、僕のエンジニアとしての原体験になっていると思います。

社員旅行で訪れた奄美大島でのひととき

台風が直撃して帰路につけずにげんなり

意味ないプロダクトは本当に意味がない!お客様に価値提供したい

Q サービス開始当時は苦労したそうですね

そうですね。当時SaaSという表現も特に誰も使っていなかったのですが、2012年4月にBtoB専用のカートシステムとして「Bカート」を提供し始めました。今だから言えるんですが、最初の5年間ぐらいはなかなか利用者も思うように増えずに苦労した暗黒時代でした(笑)

BtoBの場合、会社によって独自の運用ルールが存在することが多く、ご検討中の方やご利用者様にヒヤリングを重ねていったのですが、数多くのご要望が存在しました。

いまで言うPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を第一に機能開発していきました。もともと流通に関する出版業からスタートしていたのでBtoB取引や商習慣のことはよく理解していたのですが、日々の業務でどんな機能が必要になってくるか?という部分に関してはお客様にヒヤリングして積み上げていったのでした。

BtoBは〇〇が対応できればいい、というものは存在しないので、このBtoB専用のカートシステムは総合力だと思っています。10年以上お客様と真摯に向き合いアップデートを重ねてきたこの積み重ねが、今に連綿と続いているんだと感じています。

ユーザー視点のアップデート体制

Q もうサービスとして完成したのでしょうか?

そんなことはないですよ(笑)

いまはお陰様で業界最大級のサービスにまで成長することができたので、導入前の企業からは導入するにあたって必要な機能、すでに導入しているユーザー様に関しては日々の運用で必要になってくる機能などを、膨大なビッグデータを元に直接集めることができるので機能拡張や開発方針の参考にさせてもらっています。SaaSの機能開発に終わりはない。

規模が大きくなっているのでAtlassian社のJiraやConfluenceを使っていくつものプロジェクトが走っていて、お客様や世の中が求める機能やサービスを提供していける体制で日々開発をおこなっています。

Atlassian社が提供するサービスを活用してプロジェクトを進めている

でも、マーケットインの発想も大切なのですが、いま存在しないものに対してはお客様からは意見が出づらいことです。お客様のご要望にお応えしていくのはもちろんのこと、お客様が想像もしないような新しい提案を、開発したサービスを通じて提供していく必要があると考えています。

Bカートアプリストアを立ち上げた理由のひとつにも、そういった見えにくいニーズをキャッチしたいというねらいがありました。

Bカート単体では解決できないことや想像できないことも、周辺業務を最適化する他社のサービスやデベロッパーと協業することで、解決したり見えてくることがあると考えています。

 

社会問題を自分たちが開発するプロダクトで解決したい

Q 今後について教えてください

冒頭でお話させていただいた原体験から全ては始まっているのですが、お陰様でご利用いただくユーザー様も増え、日々の業務が僕たちのサービス上でおこなわれるので、安定したサービスを提供していく必要性が増し、社会的な責任も大きくなりました。

責任も大きいですが、やりがいはそれをも上回ると思います。また、そうなった今だからこそ社会が抱える課題を解決していけるとも感じています。僕たちのプロダクトを通じてより良い世の中を作っていきたいと考えています。

Q これからDaiへの入社を考える方へメッセージ

僕たちは「はたらくを変える」をミッションに、事業を通じてお客様のはたらくを変えるをご支援しているのですが、自分たち自身もはたらくを変えるを実践しチャレンジしています。

B2Bソリューション事業に関しては僕たちが掲げるイシューを解決したくて日々取り組んでいます。参考記事:https://newspicks.com/news/7318409

最近ではエンジニアを目指す方は多いと思うのですが、ただエンジニアになりたいだけでは続かないと思うんですよね。自分が開発したプロダクトが社会の何を解決できるのか?という視点をもって取り組んだほうが、良い仕事ができるし、成長も早いと思うんです。

僕たちと一緒に社会の課題を解決しませんか?