鵜飼 智史(うかい・さとし)
僕たちの「はたらくを変える」というミッションには、「はたらくってなんだろう」を常に考え、あるべき姿を社会に提案していくという想いも込めています。
BtoB ECプラットフォーム「Bカート」を始めとした僕たちのソリューションで、僕たちとクライアント様、パートナー様の「はたらくを変える」をご支援できれば幸いです。
鵜飼智史
僕はただの雑草なんです――BtoB Eコマースのキーパーソン・鵜飼智史
――鵜飼さんは、BtoBのEコマース業界で10年ほど業界全体を引っ張ってこられました。
いまでこそ「第一人者だ」なんて言ってくれる人もいるけど、僕自身はぜんぜんそういうふうに思っていないんですよ。僕はずっと、自分のことを「雑草」だと思って生きてきましたから。
――雑草…かなり卑下した言い方に感じます。
でも僕は本心からそう思っているんですよ。僕なんてただの高卒で、いまはBtoBのEコマース業界で仕事をしているだけの人ですから。
――いまの立場にまでなられたのはどういった理由からだと思いますか。
それは多分、僕が「手を挙げ続けた」からだと思います。今でこそBtoBのEコマース業界で名前を挙げていただくこともありますが、そのキッカケとなったのは、まだ経験も浅いころにご依頼を受けて行なった、小さなセミナーだったんです。
あのころの僕は業界の知識も今と比べれば全然ないし、当然セミナーだって1度もやったことがない状態。ただ懇意にしていただいているパートナーさんに声をかけていただいたので、なんとかスライドを作りセミナー原稿を丸暗記して挑みました。
――鵜飼さんにもそんな時代があったとは、ちょっと意外です。
そうかな笑。それをキッカケに「今度はこっちに来てセミナーをしませんか」といった声をいただくようになって、徐々にセミナー会場の規模が大きくなっていって。最終的には、数百人を前にお話しさせていただく機会ももらえました。セミナーわらしべ長者って言ってます。
――はじめてのセミナーが、いまの鵜飼さんを作るキッカケになったわけですね。
そう。もし僕が最初にセミナーの依頼をもらったとき、自分にはまだ早いとか、不安だとか、そうやって断っていたとしたら、いまの僕はなかった。最初に勇気を出して手を挙げてみる。それが1番大事なんだと気づいた出来事でした。
世界一周を経て身に着けた「案外なんとかなる」精神
――「手を挙げ続ける」というと簡単そうですが、誰しもが真似できることではないと思います。鵜飼さんはなぜ手を挙げ続けられたのですか。
そうやなぁ…一見できないように思えることや不安なことでも、やってみたら案外なんとかなる、という感覚があったのかもしれないですね。
――どういうことですか。
話が飛んじゃうんだけど、新婚旅行で世界一周にいったんですよ。株式会社Daiに入社して結婚してから。時期で言うと、2011年の5月から6月くらいに、1ヶ月お休みをもらって行きました。
いま考えたら、入社してすぐの新人によく1ヶ月も休みをくれたなって思いますけど、木脇さん(代表)は快く送り出してくれました。
――木脇さんなら「行ってこい!」と送り出してくださりそうなイメージがあります。
まさにそうやね。で、奥さんも僕も海外旅行が好きだったし(※2人の出会いもオーストラリア!)、新婚旅行はせっかくだから世界を一周してみようって話になったんです。
関西空港からフィンランド→フランス→スペイン→チリ→イースター島。そこからまたチリに戻って、メキシコ、ハワイで日本に帰ってきました。それはそれは急いでいたのでルーブル美術館なんかはめっちゃ駆け足でしたからね。
――移動だけでも大分時間が削られそうですね。その1ヶ月で得たものはありましたか。
それがさっきの「やってみたら案外なんとかなる」という感覚で。というのも、世界一周をしたっていうと、周りからはスゴいとか、羨ましいとか、色々と言われるやんか。でも、実際にやった自分からしてみたら「チケットを買ったら誰でも行けるやん」というのを実感して。
だから世の中にある物事って、傍から見たらスゴいように感じることでも、やってみたら案外どうにでもなるんだと知りましたね。
――案外どうにでもなる…チャレンジしたからこその視点ですね。
さっきのセミナーの話もそうだよね。僕はべつに突出した能力がある人間だとは思っていない。ただのしがない旅人なんですよ。周りはそう思ってないかもしれないけど、ベールを脱いでいったら根っこにはそういう自分がいます。
でも、やってみたらなんとかなる。その気持ちで手を挙げ続けてきたから、運よく今もお仕事をさせていただけているんです。
正攻法で戦うことが勝つための道
――鵜飼さんの仕事観や、働くうえで心がけていることがあれば教えてください。
皆にもときどき言っているけど、やっぱり「正攻法で勝つ」ということですね。
――正攻法で勝つ。社内でもよく耳にする言葉ですが、改めてどういった意味が込められているのでしょうか。
世の中には、お客様への価値提供を無視したような営業体制や、犯罪とまではいえないけどモヤモヤしちゃうような「グレーなこと」で売上を上げている会社って結構あるんですよね。じゃあ僕たちも会社を成長させるうえで、それをするのかって考えたときに、自分にはできないし同じ土俵で戦ったんじゃ「グレーなこと」を平気でできる人には絶対に勝てないと思います。
でも逆にいえば、そういう人って仕事において「正義」をやり切ることは絶対できない。だから僕は、今回の人生では自分の中にある正義を大切にして正攻法で勝つということを決めています。
――正攻法で戦うことが、ほかの会社に勝つための武器になるんですね。
そう。でも正義って人によっても変わるやんか。だから何をもって正義とするかはとても難しい。
少なくとも「自分のためにビジネスをする」のは違うと思っていて。社会のためとか、次の世代のためとか、そういう「自分以外の誰かのため」という気持ちを大切にしています。
――これからも正攻法でDaiに貢献していきたいと改めて思いました。貴重なお話をありがとうございました!